チェアリングって何??

北運河のマップ制作のきっかけになった背景の一つに「チェアリング」がありました。

―――チェアリングとは
『折りたたみ椅子を持って散歩しながら、自分好みの場所を見つけてくつろぐこと

外で散策していると、
「ここからの景色、しばらく眺めていたい」
「この場所は雰囲気が良いから、ずっと佇んでいたい」
「ちょっと疲れたからここでひと休み」

なんて思ったけれど、
そこに座るところがなければ長時間佇むことはかないません。

ベンチなどのストリートファニチャーで外に人の居場所を作るプロジェクトはこれまでも全国各地、様々な地域で行われていました。
が、公共空間に常設となるとなかなか広がりにくい取り組みであったのは事実かもしれません。

チェアリングはヨーロッパが主流で起こった文化だと言われています。
ヨーロッパの人たちは外での過ごし方がとても上手で、例えば、道端で巨大なチェスを並べて対戦していたり、一日中街の中のベンチで座って過ごしている人がいたり。
そんな外での過ごし方が上手な人たちが、思い思いに折り畳みの椅子を持ち運びながら居場所を作っていったのがチェアリングです。

日本でもコロナの渦中、蜜を避けた外でのアクティビティとして折り畳み椅子の需要が増えました。アウトドアのギアではありますが、少しカジュアルなデザインが増えたことでアウトドアアクティビティをしていない人たちにも馴染むものが増えたと思います。
その間キッチンカーも流行ったし、道路占有の在り方を含めた外部空間の規制緩和も増えていきました。

最近ではリュックが椅子になるものなどもあって、益々持ち歩きが容易になってきています。

魅力のある場所に人が集まってチェアリング(居心地の良い場所のあぶり出し)

人が集まる場所ではサービスが生まれる(賑わい作りの0→1)


現在OC+では、イベントとしてチェアリングを行う際の許可について調べながら企画を進めています。仮に公園でのイベントだったとしても、大きなムーブメントにしていくためには必要な段取りだからです。
一方、公共空間じゃなければ所有者の許可を得てすぐに実現できる企画だと思っています。例えば、第3倉庫の二階バルコニーなども心地の良い場所ですよね。

折り畳み椅子のレンタルサービスなんかもあると面白いし、ランチセットやスイーツセットが入った椅子になるリュックを貸し出すサービスなんかも面白いですよね。

いつの間にか物流に占拠されてしまった、本来私たちにとって心地よい水際。物から人へのコンバージョンが進む小樽の水際において、物流のスケール・スピードで作られた空間をスローにしていくための一つのチャレンジとしてもチェアリングを活用したいと考えています。

この記事を書いた人

aikashinoda